社員を慎重に採用したのに長く続かず早期退職が発生したり、早期退職が続いて何度も採用活動をしないといけないといった問題が発生していないでしょうか。
この原因の一つとして考えられるのが、採用時のミスマッチです。
採用ミスマッチとは
採用のミスマッチとは、会社の求めていることと社員の求めていることのギャップを指し、期待と現実にずれが発生したときに生じます。
たとえば、企業側の視点では、期待していたスキル・成果を出せなかったとき、従業員側の視点では、提示されていた仕事内容や聞いていた職場の雰囲気と大きな開きがあったときに採用ミスマッチが発生し、早期退職につながります。
採用ミスマッチの原因
1.求人の募集で、いいことだけを伝える。
いい人を採用したい、求人の応募を増やしたいと考えが先行し、入社したときのメリットしか強調しないもしくは強調しすぎる場合があります。これは、応募者の獲得ばかりに意識がいってしまい、求職者にとって重要な情報が提供されていないことになります。
仕事の厳しさなどのネガティブな情報。実際の昇給・昇格ペース。社風や風土についてなど、入社後の現実を伝えていくことも、入社後のギャップを防ぐためには重要です。
正直に書くと応募が来ないからと考えるかもしれませんが、正しい情報を届けなければ採用できたとしても早期に退職してしまう可能性があります。正直に求人に書けば求職者から信頼され、応募の減少を防ぎ、早期退職の対策につながります。
2.開示している情報量が少ない
求人サイトや自社ホームページを利用して、自社の情報を載せている企業が多いですが、掲載している情報が少なく、情報を提供する機会がないと求職者が集められる情報が限られてしまうため、その情報だけをもとに応募して入社してしまいます。
すると、企業や仕事内容への理解が不十分となり、「入社してから教育制度がない」、「認識していた待遇と異なる」ということになり早期退職につながります。
3.面接でお互いのことが理解できていない
志望動機や経歴について質問しがちになる場合がありますが、雇用ミスマッチ防止のため、社内の雰囲気や実際の業務内容に沿って、質問を行うことも重要です。
また、面接官により評価する項目が異なるため、評価しなければいけない項目を評価しなかったり、正しく評価ができていない場合があります。
その対策として、事前に求めるスキルを明確に設定することが大切です。
ミスマッチを防ぐ対策
1.適性テストを実施する
受けた人の素質や考え方を判定・診断できるテストで、目に見えにくいストレス耐性や組織適正なども見極めることができます。
適性テストの結果をもとに面接の質問内容を考え、応募者の考えや経験等を質問することでより深く人物について知ることができます。
2.カジュアル面談を実施する
カジュアル面談とは、企業と応募者がお互いを知るための面談で、選考目的の面接より本音が話しやすく相互理解につながりやすいため、ミスマッチが防ぎやすくなります。
また、選考ではなく面談へ招待することで、応募のハードルをさげ、より多くの優秀な人材との出会いが可能になります。
3.体験入社を実施する。
会社や業務について深く理解してもらうため、ある期間実際に会社で過ごしてもらうものです。
これにより、応募者は面接では感じられない業務内容や雰囲気などを実際に把握できますし、企業側は仕事や組織との適性を確認することができ、実務能力も見ることができます。
体験入社を実施する際は、応募者との日程調整や受入先の部署と連携を密にし、体験プログラムを準備する必要があります。
まとめ
ミスマッチは、企業と応募者の期待と現実のずれがもたらし、早期退職につながります。早期退職になると採用や教育にかけた時間・費用また既存の社員モチベーション低下するため、早期退職防止の対策を積極的取り入れていきましょう。
応募者が企業・業務内容に対して適性があるか、すぐに辞めないかを判断するために、求人だけではなく、適性テストで性格も含めて把握するなどの取り組みも効果的です。お互いに理解を深めて採用することで、入社後ミスマッチを防いでいきましょう。